名刺の渡し方・受け取り方

名刺交換をするときには、立って行なうのが礼儀です。訪問先で応接室や会議室に通され、ソファやいすに腰掛けて待っていたときは、担当の方が入室してきたらすぐに立ち上がり、まずあいさつします。そして、立ったままで自己紹介して名刺交換となります。もし同伴した上司や先輩社員が相手の方とすでに相当親しい関係であり、着席したままでいきなり会話が始まったとしても、あなたのことを相手に紹介することになったら、まず起立して一礼し、それから名刺交換をしましょう。大勢の中で一人だけ初対面の社員として紹介されるときも、紹介されるあなただけは必ず立って名刺を差し出さなければなりません。

名刺を差し出すときは、相手の方に向かってまっすぐに正面を向き、会釈しながら、名刺の文字を相手の方がすぐに読めるように差し出します。逆向きや横向きで差し出してはいけません。文字の上に親指がかからないように気を付けて、右手で名刺の右上角をつまんで持ち、左手の親指と人差し指は、左上角を軽くつまむ感じで添えておきます。差し出すときの名刺の高さは、おおよそ胸の高さにして、相手の方に“どうぞご覧ください”という気持ちで差し出します。あまり高過ぎても低過ぎても、不調法な感じがします。そのときのあいさつの言葉は、まず、社名・部署と氏名を申し述べますが、それから必要な場合には担当業務や現在進行中のプロジェクトを端的に話してもかまいません。そして最後にかならず、「どうぞよろしくお願いいたします」という言葉を添えて一礼します。

相手の方の名刺を受け取るときも、頭を下げて、「ありがとうございます」とお礼をしながら、かならず両手で受け取ります。受け取って一読もせずに引き下がるのは、あまり良くありません。その場でさっと目を通し、読みのわからない氏名や肩書きがあった場合には、すぐに読み方をたずねておきましょう。