名刺印刷耐久性比較|印刷したチラシに消しゴム30回テストをしました。

名刺印刷の摩擦に対する耐久性(耐摩耗性)をチェックするために、各サイトの名刺の同じ場所をトンポ鉛筆のプラスチック消しゴム「モノ消しゴム」で30回こすり、その影響を比較してみました。

摩擦に対する耐久性の評価は、以下の 4段階で表示します。

Class A   消しゴム30回で影響がまったく見られない
Class A-  消しゴム30回で影響がわずかに見られる
Class B   消しゴム30回で影響がはっきりと見られる
Class C   消しゴム30回で印刷が消える

Class A- 
消しゴム30回で影響がわずかに見られる

グラフィック graphic
 Before After

グラフィック
品名「名刺」 / 印刷「オフセット」 / 用紙「上質180kg」

※「 」付きはサイトページで表示されている名称です。

グラフィックの名刺印刷では、サイトページに「オフセット」と表示されている印刷方式を選択しました。オフセット印刷は、画集、ポスターなどの高級な印刷から雑誌、新聞折込などの大量印刷まで広く用いられている印刷方式です。コート紙と非コート紙とを問わずインクが用紙に浸透して定着するため、印刷面が摩擦を受けても、用紙が削られない限り印刷が薄くなることはないはずです。しかし、従来のオフセット印刷は、手間と時間やコストの点から、名刺・はがきのようなオンデマンド印刷(少量印刷)に使用されるとは思えません。従って、グラフィックの名刺における「オフセット」とは、従来のオフセット印刷のことではなく、液体トナーを使用するデジタルオフセット(簡易オフセット印刷、液体トナー印刷とも呼ばれる)のことと思われます。

液体トナーは、顔料・黒鉛の色粒子が付着した微細なプラスチック粒子を溶剤に溶いた顔料インクのようなものです。デジタルオフセットでは、高温に加熱した液体トナーを感光体ドラムに付着させ、それに印刷紙を圧着して転写したときに、急速な水分蒸発と温度低下でプラスチック粒子が用紙の表面に定着します。このようにして使用される液体トナーは、レーザープリンターの粉体トナーよりも粒子径が格段に小さいため、用紙の表面に定着しやすいという一般的な特性があり、印刷画質だけでなく摩擦に対する耐久性(耐摩耗性)の点でも優れています。

【グラフィックの公式サイトはこちら】
http://www.graphic.jp/

 

Class B  
消しゴム30回で影響がはっきりと見られる

ビスタプリント vistaprint
 Before After

ビスタプリント
品名「プレミアム名刺」 / デジタルオフセット印刷 / 用紙「ホワイトマット・209g/m2」

ビスタプリントのプレミアム名刺は、グラフィックの名刺と同様にデジタルオフセットで印刷されています。両者の印刷画質を比べてみると、ビスタプリントは「ホワイトマット」という白色度の高い用紙を使用しているため、一見してきれいな明るい写真に見えます。しかし、拡大してみると網点がはっきりと目立ち、被写体のエッジもギザギザになっています。一方、グラフィックの拡大画像では網点が見られず、被写体のエッジが比較的にすっきりとしたきれいなラインを描いています。

ビスタプリントとグラフィックはどちらもデジタルオフセットで印刷されていますが、性能の異なる機種を使用していることは明らかです。おそらくは、グラフィックの方が解像度の高い高性能な液体トナー印刷機を使用しているのかもしれません。消しゴムテストの結果も印刷機の性能の差ではないかと思われます。

【ビスタプリントの公式サイトはこちら】
http://www.vistaprint.jp/

 

Class C  
消しゴム30回で印刷が消える

ラクスル raksul
 Before After

ラクスル
品名「通常サイズ名刺」 / 印刷「インクジェットプリンター」 / 用紙「上質紙(ケント)225g」

ラクスルは、自社工場を持たずに全国のたくさんの印刷会社と提携し、インターネットによる全国的な印刷サービスのネットワークを構築している新しいタイプの印刷会社です。写真の名刺もどこのどんな印刷会社が担当した仕事か分かりませんが、ラクスルが定めた製品の規格や品質に則って仕上げられているはずです。従って、このラクスルの名刺の品質が、名刺印刷の全国標準と言えるでしょう。

名刺印刷は、元来、零細な町の印刷屋さんの仕事でした。企業が大手・中堅の印刷会社に発注しても、実際に印刷しているのはそのような小規模経営の印刷会社です。そのような広範な印刷会社の力を結集して製品の品質も統一したことは、ラクスルの功績と言えます。消しゴムでこすると印刷が消えてしまう名刺ですが、それで十分に社会のニーズに応えている名刺であるとも言えます。

【ラクスルの公式サイトはこちら】
https://raksul.com/